icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学66巻5号

2024年05月発行

文献概要

増大号特集 精神科診療における臨床評価尺度・検査を極める—エキスパートによる実践的活用法 Ⅱ章 疾患別の評価尺度・検査 神経発達症群

注意欠如多動症の評価尺度・検査—ASRS-v1.1,ADHD-RS-5,Conners 3日本語版,CAARS日本語版,WURS,CAADID日本語版,DIVA-5

著者: 辻井農亜1

所属機関: 1富山大学附属病院こどものこころと発達診療学講座

ページ範囲:P.509 - P.513

文献購入ページに移動
はじめに
 注意欠如多動症(ADHD)は,年齢または発達水準に合わない不注意,まとまりのなさ,および/または,年齢または発達水準に対して過剰な多動-衝動性が障害レベルに達することにより特徴づけられる神経発達症である。ADHDはしばしば成人期まで持続し,その結果,社会的,学業的,および職業的機能の障害を伴う。ADHDのスクリーニング,診断や重症度の把握,治療効果判定には,児童青年期または成人期と発達に応じてさまざまな尺度が開発され,臨床から研究まで幅広く用いられている。本稿では,わが国で使用される主な評価尺度・検査について概説する。

参考文献

1)ADHDの診断・治療指針に関する研究会:注意欠如・多動症—ADHD—の診断・治療ガイドライン,第5版.じほう,2022
2)Kessler RC, Adler L, Ames M, et al:The World Health Organization Adult ADHD Self-Report Scale(ASRS):A short screening scale for use in the general population. Psychol Med 35:245-256, 2005[PMID:15841682]
3)ジョージ・J.デュポール,トーマス・J.パワー,アーサー・D.アナストポウロス,他(著),市川宏伸,田中康雄,小野和哉(監修),坂本律(訳):児童期・青年期のADHD評価スケールADHD-RS-5【DSM-5準拠】—チェックリスト,標準値とその臨床的解釈.明石書店,2022
4)市川宏伸,齊藤万比古,齊藤卓弥,他:成人用ADHD評価尺度ADHD-RS-IV with adult prompts日本語版の信頼性および妥当性の検討.精神医学 60:399-409, 2018
5)エリザベス・P・スパロー(著),田中康雄(監訳):コナーズの評価スケールの臨床適用と解釈事例—コナーズ3 コナーズCBRS コナーズEC.金子書房,2013
6)C. Keith Conners, Drew Erhardt, Elizabeth Sparrow(原著),中村和彦(監修),染木史緒・大西将史(監訳):CAARS日本語版マニュアル.金子書房,2012
7)下津咲絵,井筒節,松本俊彦,他:中学生における多動傾向と自尊感情の関連Wender Utah Rating Scaleを用いた予備的研究.精神医学 48:371-380, 2006
8)Jeff Epstein, Diane E. Johnson, C. Keith Conners(開発),中村和彦(監修),染木史緒・大西将史(監訳):CAADID日本語版マニュアル.金子書房,2012
9)DIVA-Foundation:Diagnositc interview for ADHD in adults. https://www.divacenter.eu/DIVA.aspx?id=508[2023年12月15日閲覧]

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら