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増大号特集 精神科診療における臨床評価尺度・検査を極める—エキスパートによる実践的活用法 Ⅱ章 疾患別の評価尺度・検査 不安症群
全般不安症の評価尺度—GAD-7,HAM-A,PSWQ,STAI,SCAS
著者: 吉田斎子1 川上寿郎2 松澤朱里2 清水栄司123
所属機関: 1千葉大学医学部附属病院認知行動療法センター 2千葉大学大学院医学研究院認知行動生理学 3千葉大学子どものこころの発達教育研究センター
ページ範囲:P.543 - P.546
文献購入ページに移動全般不安症(generalized anxiety disorder:GAD)とは,6カ月以上にわたって極度の不安,緊張,心配が持続する精神疾患である。易疲労性,集中困難,睡眠障害のような症状も呈するため,うつ病の影に隠れて,診断されずに見逃されがちであり,プライマリケアで適切なスクリーニングが重要である1, 2)。日本における12カ月有病率は,うつ病(2.9%),限局性恐怖症(2.7%),GAD(1.2%),社交不安症(0.8%)の順に高かったとする疫学調査がある3)。また,米国のDiagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, Fifth Edition(DSM-5)4)ではGADの12カ月有病率は0.4〜3.6%,生涯有病率は4〜9%とされており,決してまれな病気ではない。
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