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増大号特集 精神科診療における臨床評価尺度・検査を極める—エキスパートによる実践的活用法 Ⅱ章 疾患別の評価尺度・検査 睡眠・覚醒障害群
中枢性過眠症とその検査法—ESS,SSS,PSG,MSLT
著者: 小浦冬馬1 小曽根基裕
所属機関: 1久留米大学神経精神医学講座
ページ範囲:P.595 - P.600
文献購入ページに移動世界保健機関(World Health Organization:WHO)が公表した国際疾病分類第11版(International Classification of Diseases, 11th revision:ICD-11)では,それまで精神および行動の障害および神経系の疾患の下位分類であった睡眠障害がsleep-wake disordersとして独立した疾患群となった。そのなかには「特発性過眠症(idiopathic hypersomnia:IH),ナルコレプシー(narcolepsy:NC),クライネ-レビン症候群,身体疾患による過眠症,薬物または物質による過眠症,精神疾患による過眠症,睡眠不足症候群」の7疾患が中枢性過眠症として含まれている。精神科の臨床場面において「日中の過剰な眠気」や「不適切な状況での睡眠」を主訴として扱う場面は少なくないが,日本では過眠症有病率が海外に比べて高いと言われ,その治療薬が中枢刺激薬であることから,より正確で再現性の高い診断が求められる。
本稿では眠気の主観的評価法であるエプワース眠気尺度(Epworth Sleepiness Scale:ESS),スタンフォード睡眠尺度(Stanford Sleepiness Scale:SSS)および中枢性過眠症であるIHおよびNCの確定診断に必要な睡眠ポリソムノグラフ検査(polysomnography:PSG),反復睡眠潜時検査(multiple sleep latency test:MSLT)について概説する。
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