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文献詳細

雑誌文献

精神医学66巻5号

2024年05月発行

文献概要

増大号特集 精神科診療における臨床評価尺度・検査を極める—エキスパートによる実践的活用法 Ⅱ章 疾患別の評価尺度・検査 秩序破壊的・衝動制御・素行症群

秩序破壊的・衝動制御・素行症群の評価尺度—ECBI,ODBI,SUPPS-P-J

著者: 原田謙1

所属機関: 1長野県立こころの医療センター駒ケ根子どものこころ診療センター

ページ範囲:P.622 - P.628

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疾患概念
 「秩序破壊的,衝動制御,素行症群」は,DSM-5になって新設されたカテゴリーである。そこには,DSM-Ⅳまでの「注意欠陥および破壊的行動障害」から注意欠陥多動症(Attention-Deficit/Hyperactive Disorder:ADHD)を除いた反抗挑発症,素行症,反社会性パーソナリティ症(antisocial personality disorder:ASPD)と,「他のどこにも分類されない衝動制御の障害」に含まれていた間欠爆発症,窃盗症,放火症が含まれる。DSM-5の解説によれば,これらは「外在化スペクトラム」であり,どれもが,「情動や行動の自己制御に問題」があり,「人権を侵害したり,法や権威ある人物との間で葛藤を生じる行動として現れる障害」とされる1)

参考文献

1)American Psychiatric Association:Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, 5th ed(DSM-5). American Psychiatric Publishing, Washington DC, 2013[日本精神神経学会(日本語版用語監修),髙橋三郎,大野裕(監訳):秩序破壊的・衝動制御・素行症群.DSM-5精神疾患の診断・統計マニュアル.医学書院,pp 453-471, 2014]
2)原田謙:反抗挑発症と素行症—特に冷淡で無感情な特性に焦点づけて.精神科治療学 33:935-941, 2018
3)齊藤万比古,原田謙:反抗挑戦性障害.精神科治療学 14:153-159, 1999
4)Sheila Eyberg(原著),加茂登志子(日本語版著):日本語版アイバーグ子どもの行動評価尺度.千葉テストセンター,2020
5)原田謙:反抗挑戦性評価尺度のADHD臨床における意義と限界.齊藤万比古(編):注意欠陥多動性障害の診断治療ガイドライン第4版.じほう社,pp 63-65, 2016
6)喜入暁,松本昇:短縮版多次元衝動的行動尺度日本語版(SUPPS-P-J)のさらなる妥当性の検証.パーソナリティ研究 31:112-121, 2022
7)Hare RD:Hare Psychopathy Check List Reviced. Multi Health System, Canada, 2003[西村由貴(訳):サイコパシーチェックリスト改訂版2003.金子書房,2004]

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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