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特集 精神疾患の気づきと病識
アルツハイマー型認知症の気づきと病識
著者: 繁田雅弘1
所属機関: 1東京慈恵会医科大学精神医学講座
ページ範囲:P.810 - P.815
文献購入ページに移動アルツハイマー型認知症の人が自分を病気と認めない場合は,次のような状況や状態が考えられる。まず,自分に起こった変化が病的だと感じていても第三者の前で病気だと認めたくない場合である。また,自分に何らかの変化が起こっているがそれを病気のためだと理解しない場合もある。そして,変化そのものに気づかない場合も,もちろん病気と認めることはない。しかも,一人の患者が自分の複数の症候に対して異なった態度をとることもある。本稿では,アルツハイマー型認知症の人の病気についての気づきの体験や,気づきと病識の獲得が難しいことによる影響,気づきと病識の獲得が難しい理由,気づきと病識を治療に活かす工夫について筆者の臨床経験を基に述べた。
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