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—中島 俊 著 入職1年目から現場で活かせる!—こころが動く医療コミュニケーション読本 フリーアクセス
著者: 堀越勝1
所属機関: 1国立精神・神経医療研究センター認知行動療法センター
ページ範囲:P.978 - P.979
米国の医療現場で発生した訴訟問題の分析結果を見ると,訴訟問題の約7割は患者と医療スタッフ間の人間関係問題であり,内容的には「配慮がない」,「話を聞いてくれない」,「情報を適切に渡してもらわなかった」など,大半はコミュニケーションの問題だとされている。米国は訴訟社会と言われる通り,医療現場で起こる問題が訴訟という形で表面化しやすいのだろう。一方日本は「和を以って貴しとなす」の国であり,コミュニケーション問題は表に出づらいのかもしれない。しかし,見えないすなわち問題なしではなく,患者や医療スタッフが傷ついているのにもかかわらず,「我慢すべきだと思う」,「周りとの不和を避けたい」などの理由から表面化しないのだとしたら,ケアの観点から,その背後には巨大で深刻な問題が横たわっていることになる。
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