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文献詳細

雑誌文献

精神医学66巻8号

2024年08月発行

文献概要

特集 現代における解離—診断概念の変遷を踏まえ臨床的な理解を深める

一般外来における解離性同一性障害の治療—精神分析の立場から

著者: 加茂聡子1

所属機関: 1四谷こころのクリニック

ページ範囲:P.1080 - P.1084

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抄録
 精神分析家でありながら開業クリニックで一般精神科外来を行っている立場から,解離性同一性障害(DID)の一般外来における治療について紹介する。一般に,精神分析家は「中立かつ受け身で治療を行う」という印象を持たれている。しかし,精神科外来臨床を行うとき,私は能動的に支持も指示も行う。一方で,精神分析的臨床家の間では「解離性同一性障害における他人格はもとの人格として扱う」という言説があったようである。私はその立場にも与せず,外来臨床においてDIDの人格と出会った場合は「別の人」として接している。
 本稿では,私の外来臨床におけるDIDとの接し方,そして精神分析が私の臨床にどのように影響を与えているかについて文献的背景とともに紹介する。

参考文献

1)岡野憲一郎:外傷性精神障害—心の傷の病理と治療.岩崎学術出版社,1995
2)Hermann JL(著),中井久夫(訳):心的外傷と回復〈増補版〉.みすず書房,1999
3)McWilliams N(著),成田善弘(監訳),北村婦美,神谷栄治(訳):パーソナリティ障害の診断と治療.創元社,2005
4)Howell EF(著),柴山雅俊(監訳),宮川麻衣(訳):心の解離構造—解離性同一性障害の理解と治療.金剛出版,2020

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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