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文献詳細

雑誌文献

精神医学66巻9号

2024年09月発行

文献概要

特集 —身体疾患の患者・家族のこころを支える—コンサルテーション・リエゾン精神医学

地域において行うコンサルテーション・リエゾン精神医学

著者: 内田直樹1 中川伸明1 勢島奏子1

所属機関: 1医療法人すずらん会たろうクリニック

ページ範囲:P.1180 - P.1186

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抄録
 コンサルテーション・リエゾン精神医学(CLP)というと,主に総合病院で行われることを想像されがちだが,当院は在宅医療を中心としたクリニックであり地域においてCLPを実践している。多くの精神疾患患者において,重症化すると病院に来たがらないという特徴があることを踏まえると,精神科医が地域に出てCLPを行う意義は大きいと考えている。本稿では,地域において行うCLPの実践として2つの事例を紹介する。
 また,20年前に精神保険医療福祉の改革ビジョンにおいて提案された「入院医療中心から地域生活中心へ」という基本方針を実現するためにも,精神科医が地域においてCLPを実践することが必要になると考えている。当院の診療以外に他院での実践についても紹介し,多職種が地域医療に関わる意義について考察する。多くの精神医療従事者が地域に目を向ける機会が今後増えることに期待している。

参考文献

1)内田直樹,園田薫,浦島創:精神科医が行う在宅医療.精神科 36:359-364, 2020
2)World Health Organization, World Organization of Family Doctors:Integrating mental health into primary care:A global perspective. 2008
3)内田直樹,園田薫,勢島奏子,他:アウトリーチと地域におけるコンサルテーション・リエゾン精神医学.精神科治療学 36:437-442, 2021
4)北田志郎:在宅医療における身体科医と精神科医の連携モデル構築に関する研究—在宅医療専門内科診療所における精神疾患発症頻度とその傾向.公益財団法人 在宅医療助成 勇美記念財団2014年度 在宅医療助成 一般公募(前期)完了報告書.2015
5)World Health Organization:The ICD-10 Classification of Mental and Behavioral Disorders:Clinical Descriptions and Diagnostic Guidelines. WHO, Geneva, 1992[融道男,中根允文,小見山実,他(監訳):ICD-10 精神および行動の障害—臨床記述と診断ガイドライン,新訂版.医学書院,2005]
6)厚生労働省:精神保健医療福祉の改革ビジョン.2004 https://www.mhlw.go.jp/topics/2004/09/dl/tp0902-1a.pdf[2024年7月10日閲覧]
7)Leff J, Trieman N, Gooch, C:Team for the Assessment of Psychiatric Services(TAPS)Project 33:Prospective follow-up study of long-stay patients discharged from two psychiatric hospitals. Am J Psychiatry 153:1318-1324, 1996[PMID:8831441]
8)澤滋,中島憲行,藤原誠:8050問題.老年精神医学雑誌 33:800-805, 2022

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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