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文献詳細

雑誌文献

精神医学7巻1号

1965年01月発行

研究と報告

精神分裂病者の自殺(前編)—病識のある病者の自殺

著者: 梶谷哲男1

所属機関: 1中央鉄道病院神経科

ページ範囲:P.37 - P.41

文献概要

I.はしがき
 自殺の原因を考える場合,Durkheimのように統計的処理によつて,社会的要因におもきをおく立場と,Delmaのように個人的素質におもきをおく立場がある。またBlondelのようにこの両因がなんらかの割合で混り合つていると考える立場もある。
 この場合,自殺の原因という漠然としたよびかたをしたが,GauppやGruhleは,原因と動機を峻別し,加藤も,自殺を準備する「自殺傾向」と自殺実行の直接のきつかけとなる「自殺動機」または「結実因子」とを区別している。また,Delmaは,自殺を,事故,痴呆,強制によるえせの自殺と,真の自殺を区別している。Goldsteinは「個人の行動が不注意に死をきたすような破局的事態の無秩序や混乱の結果ひきおこされる死は,自殺とよばれるようなものではない」といつている。大原も,自殺を純粋自殺と偽似自殺に分け,精神病者の自殺をおしなべて後者に属するものと考えているようである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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