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研究と報告
自殺未遂者(急性催眠剤中毒による)の生活環境—とくに片親問題を中心として(第1報)
著者: 横井敏夫1 黒田知篤2
所属機関: 1国立札幌病院内科 2国立札幌病院精神神経科
ページ範囲:P.42 - P.47
文献購入ページに移動I.緒言
戦中戦後の社会的混乱はしだいに安定化の傾向を示し,社会保障の改善,経済力の成長も認められ,これにつれてわが国の社会的不安も一見減少しているかに考えられるが,自殺率を問題にすれば,事実は予想に反し,年々増加の傾向を示している1)2)。自殺者の数は,昭和25年4,579名に対し昭和33年は11,315名と約2.5倍に達している。
日本の自殺の問題中,最も大きなものは,若い世代の自殺率が諸邦に比べて最も高いということである3)。
戦中戦後の社会的混乱はしだいに安定化の傾向を示し,社会保障の改善,経済力の成長も認められ,これにつれてわが国の社会的不安も一見減少しているかに考えられるが,自殺率を問題にすれば,事実は予想に反し,年々増加の傾向を示している1)2)。自殺者の数は,昭和25年4,579名に対し昭和33年は11,315名と約2.5倍に達している。
日本の自殺の問題中,最も大きなものは,若い世代の自殺率が諸邦に比べて最も高いということである3)。
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