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文献詳細

雑誌文献

精神医学7巻10号

1965年10月発行

文献概要

研究と報告

精神分裂病者の外勤作業療法について(第1報)

著者: 井上正吾1

所属機関: 1三重県立高茶屋病院

ページ範囲:P.873 - P.881

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I.緒言
 外勤作業療法とはつぎのごとき要件をそなえたものをさしている。すなわち,精神病院で a)治療を受け,b)生活をしていながら,c)だいたい昼間8時間ほどを院外の一定の作業場などにおいて継続的に作業をなし,d)これを通じてより高度の医学的社会的リハビリテーションを可能にすることを意図している。
 a)院内における治療は,病初期に行なわれる大量の向精神薬の投与,インシュリンや電気衝撃療法などは一応終了しており,薬剤は普通少量の維持量が与えられて,ときどき精神療法(集団や佃人的)やリハビリテーションのための社会復帰教育がなされている。
 b)院内生活においても日常生活のペースは普通世人のそれに近く,自主的自律的に行なわれる段階である。また仙人との協同もほぼ円滑を期しえられ,自治会活動,クラブ活動なども行なつている。
 c)1日8時間の作業がふつうであるが,通勤時間などを計算にいれると,午前7時から午後6時ごろまでは院外にあることとなり,昼食などは弁当として携行している。1週6日または5口制であり当院としては,金曜日を集団精神療法,佃人精神療法やレクリエーションなどにあてているしまた月1回ほどは作業先の業者の懇談会を催して受けいれ側の理解を深めまた協力を得るべく努力をしている。
 d)また,私たちの外勤療法を他の療法などと比較するに

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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