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文献詳細

雑誌文献

精神医学7巻10号

1965年10月発行

文献概要

研究と報告

頭部外傷後の神経症症状形成における社会的心理的要因の意義(第3報)—時代的変遷と病像の変化

著者: 諏訪望1 森田昭之助1 稲津正也1

所属機関: 1北海道大学医学部精神医学教室

ページ範囲:P.882 - P.890

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I.はじめに
 われわれが取り扱う頭部外傷は亜急性ないし慢性の後遺症が大部分である。しかもその大半が閉鎖性のもので,患者の自覚的訴えと神経学的所見との相関を明らかになし得ないものも少なくない。
 この問題をめぐり,すでにErichsen(1886)がその本態を脊髄およびその被膜の慢性の炎症に求め,さらにOppenheim19)(1889)は,解剖学的変化でも顕微鏡学的に証明される変化でもない脳における機能的障害(cerebrale functionelle Störung)が重要な意味をもつとし,外傷性神経症という名称を初めて用いたことは周知である。その後Charcotらの心因論が大きな勢力となり,1916年のドイツ精神医学会で,いわゆる外傷性神経症がヒステリー学説を基盤とする心因にもとづくものであるとする考えが大勢を支配し,いわゆるWunschtheorieがある程度不動のものとなつた23)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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