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文献詳細

雑誌文献

精神医学7巻11号

1965年11月発行

文献概要

研究と報告

言語性発作と大脳半球優位

著者: 大橋博司1 河合逸雄1 菊知竜雄1

所属機関: 1京都大学医学部精神医学教室

ページ範囲:P.983 - P.988

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 I.はじめに
 てんかんの発作型に言語性発作のあることが諸家により報告されてきた。この発作症状は大別して失語発作(aphasic fit),言語停止発作(speecharrest),言語自動症(speech automatism)に分けられよう。
 Penfield16),Bingley,3)Falconer18),佐藤17)たちの定義にしたがえば,失語発作は文字どおり発作性の失語であり,言語の思考と理解が発作的に障害される。言語停止発作とは言語の単純な停止であり,発作的な構音障害である。この二者の場合は,発作時に意識が失なわれることはなく,発作後に患者自身が覚えている。言語自動症は一般の自動症の一部をなすもので,常同的な語句,意味不明のつぶやきなどを示し,その場の状況と関係のない内容を語ることが多く,健忘を残すのが一般である。Falconer18)はこれに加えて,言語自動症の際は構音障害は決してない,とのべている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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