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文献詳細

雑誌文献

精神医学7巻12号

1965年12月発行

文献概要

研究と報告

機能変遷と破局反応

著者: 越賀一雄1 浅野楢一1 今道裕之1 西浦信博1 松田良一1

所属機関: 1大阪医科大学神経科

ページ範囲:P.1061 - P.1065

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 以上今回は錯認(Paragnosie)を伴い妄想様症状を活発に呈した失認,とくに図形失認の患者,つぎに運動性失語を示す症例,さらに典型的な井村教授のいう語義失語患者の3例について,それぞれ病巣症状の大略を述べ,機能変遷と破局反応との関係について報告し,両者が平行関係にあること,換言すれば,機能変遷を呈する症例では患者は容易に破局におちいり,破局反応を呈しない症例では機能変遷も認められず,問題によつてその機能に変遷を示す愚者は口常生活においても特別な状況におかれるとき,時に破局反応を呈することもあることを指摘した。
 さらに各患者の相貌認知の能力,あるいは象徴理解の能力について検討しParaphysiognomisierung,Parasymbolie,Aphysiognomisierung,Asymbolieなどの概念を用いてそれらの所見を説明し,それらの能力が保持されていることが少なくとも患者に漠然としてであつてもなんらかの病感,あるいは病識のたもたれるためのきわめて貢要な要因であることについて簡単にふれた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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