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研究と報告
てんかんと交通事故—2例の考察
著者: 原田正純1 上妻善生1
所属機関: 1熊本大学医学部神経精神科教室
ページ範囲:P.257 - P.262
文献購入ページに移動 (1)ここに報告された第1例では,けいれんを伴わない・意識障害を主とする発作が,しかもきわめてまれに起こつている。第2例では,分裂病様状態および躁うつ的状態にかるい意識障害を伴う発作と,"めまい"の発作が見られた。第1例ではきわめてまれな意識障害発作のときに,事故をひき起こしている。第2例では自覚されない発作のとぎに,事故を起こしたと考えられる。これらの2例には,てんかん性の性格異常が著明で,脳波にも異常が見られる。第1例ではメジバール賦活に閃光刺激を加えて,もうろう状態が誘発された。一方,第2例では,メジバール75mg賦活で大発作が誘発された。
(2)交通事故を起こす要因として,意識障害発作のほか,てんかん性性格異常も考慮される。その他,知能障害や,第2例では精神病状態も,事故発生に関係しているものと推測される。
(3)その他,ふつうのてんかんの場合と異なる点として,分裂病質状態もしくは分裂病様状態の見られること,頸動脈圧迫により発作が起こることなどが,2例に共通して見られている。
(2)交通事故を起こす要因として,意識障害発作のほか,てんかん性性格異常も考慮される。その他,知能障害や,第2例では精神病状態も,事故発生に関係しているものと推測される。
(3)その他,ふつうのてんかんの場合と異なる点として,分裂病質状態もしくは分裂病様状態の見られること,頸動脈圧迫により発作が起こることなどが,2例に共通して見られている。
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