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HOD testの紹介とその検討

著者: 坪井弘次1 松井森夫1 藤田慎一1 大塚哲哉1 水野政康1 大原貢1 小林伊作男1 服部隆夫1 高井作之助1 小野宏1 松橋俊夫1 武田徹1 鷲見久子1 小川玲子1

所属機関: 1名古屋市立大学医学部神経精神医学教室

ページ範囲:P.281 - P.290

Ⅰ.緒言
 HOD testとはHoffer-Osmond Diagnostic testの略で,カナダ・サスカチェワンの大学病院精神医学研究所長A. Hofferとサスカチェワン病院長のH. Osmondの共同研究により,Journal of Neuropsychiatryの1961年8月号1)に初めて紹介発表された。その後かれらは,さらに研究を進め,本テストが予後を知るのに,非常な助けとなることを報告した2)。また,若い年齢層に対する本テストの考慮についても報告された3)。そして,欧米においても本テストに関する研究が,他の研究者たちによつて行なわれていることを,A. Hoffer博士との文通によつて知つた。現在のところ完結した報告は知られていないが,すでに米国Princeton, N. J. のNew Jersey Neuropsychiatric Instituteにおいて,用いられてきている。また,Veterans Administration Hospitalにおいても,特殊薬物の研究に関して,用いられている。本テストは文化に関係なく,世界中どんな国でも,読むことのできる人たちには,うまく反応するはずであるという見解が,述べられている。原著者は本テストが,日本でもこころみられ,完成されれば非常に喜ばしい旨の手紙を送つてきた。
 この精神医学的診断をするにあたつての補助的カード択り分けテストと題する論文の冒頭には摘要としてつぎのように述べられている。すなわち分裂病患者を他の診断的カテゴリーや,正常人から分けるように企図され,このテストはしろうとでも,十分客観的かつ簡単にできるもので,スコアーの仕方や解釈は容易である。そしてこのテストは通常,器質性精神病をのぞいては,他のすべての診断的カテゴリーから分裂病を鑑別するうえに役だつことを論証している。

掲載雑誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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