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文献詳細

雑誌文献

精神医学7巻4号

1965年04月発行

文献概要

研究と報告

Chlorprothixeneの慢性投与による分裂病患者の脳波変化について

著者: 友成久雄1 宮川太平1 稲村正志1 飯田信夫1 豊永啓太郎1

所属機関: 1熊本大学神経精神科

ページ範囲:P.333 - P.340

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I.まえおき
 TraQuilan,すなわちchlorprothixeneは初め抗抑うつ剤として登場した薬物であるが,精神分裂病にも用いられ,かなりの効果が見られている。われわれも主として陳旧性分裂病に対する効果をさきに報告したが5),その治療経過の途中において全身けいれんを伴う意識喪失の発作を起こした1例に遭遇した。そしてその脳波を検査したところ,著明な徐波の出現が認められ,少量のMegimideによつて発作性異常波が賦活されるのを見た(第2図参照)。この例のけいれん発作や脳波異常がはたしてchlorprothixeneの投与と関係があるか否か,さらに同薬物は一般に脳波上いかなる影響をおよぼしうるかを追求するために,同薬物を投与した分裂病患者50名について脳波検査をこころみた。さらに,対照として他の向精神薬を投与中のもの,および未治療の分裂病患者の脳波を検査し,比較検討を行なつた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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