文献詳細
研究と報告
神経症に対するdiazepamの治療効果
著者: 和田豊治1 桜田敞1 及川光平1 荒井紀久雄1 秋野睦1
所属機関: 1弘前大学医学部神経精神医学教室
ページ範囲:P.367 - P.372
文献概要
1960年,スイスのRoche研究所から従来の精神安定剤や自律神経遮断剤とは化学構造式のうえからまつたく無関係で,薬理学的にも興味深い作用を有する新しい型の鎮静剤chlordlazepoxideが開発され,とくに不安・緊張の緩和にその偉力を示し,いまや数々の臨床成績が報告され,精神科領域,なかんずく神経症の治療に欠くことのできない座を占めるにいたつている。
ところがさらに1961年,同研究所のL. SternbachおよびE. Reederによつて,chlordiazepoxideと同じく,いわゆるminor tranquilizerに属する向精神薬として,新しいbenzodiazepine誘導体のdiazepamが合成された(第1図)。
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