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文献詳細

雑誌文献

精神医学7巻4号

1965年04月発行

研究と報告

不眠に対するdiazepamの臨床効果

著者: 島崎敏樹1 小林健一1 小見山実1

所属機関: 1東京医科歯科大学医学部神経精神医学教室

ページ範囲:P.373 - P.379

文献概要

I.まえがき
 Chlorpromazineを主体とするphenothiazine系誘導体の出現以来,多数の向精神薬が開発され,精神疾患治療における薬物療法はますます強力なものとなりつつあるが,数年前Roche研究所によつて開発された新しい型の鎮静剤chlordiazepoxideは不安,緊張を初め情動障害を中心としてきわめて広い適応範囲をもち,従来のいわゆるminor tranquilizerにとつてかわつて,もつとも強力なtranquilizerの一つとして広く用いられ評価も十分定まつた。
 さらに最近1960年,chlordiazepoxideと同じくbenzodiazepine族に属する新しい向精神薬diazeparn(7-chloro-1,3-dihydro-1-methyl-5-phenyl-2H-1,4-benzodiazepine-2-one)がF. Hoffmann-La Roche研究所のSternbachおよびReederによつて合成された。Randall6)らの研究によると,本剤は薬力学的にはchlordiazepoxideとほぼ同様のスペクトラムを有しているが,動物実験ならびに臨床試験の結果によると,より強力な作用をもち,chlordiazepoxideに比べて鎮静および筋弛緩作用は約5倍,抗けいれん作用は10倍強力であり,しかも毒性はほぼ同じであるという。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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