文献詳細
研究と報告
Diazepamの睡眠効果とPlaceboを用いた二重盲検法による治験
著者: 高畑長吉1 津久江一郎1
所属機関: 1広島大学医学部神経精神医学教室
ページ範囲:P.459 - P.465
文献概要
精神神経科領域において,とくに神経症に用いられる薬物は,ここ2〜3年来真のtranquilizerであるといわれているchlordiazepoxideが主流をなしている趣がある。その他の薬物は格段の差をもつて,meprobamate,chlorpromazine,perphenazine,prochlorperazine,levomepromazine,fluphenazine,benectizine,chlorprothixene,thioridazineなどが,わずかに用いられる程度となつている。その他に合剤であるVegetamine,Bellergalなどがあり,これらもある程度は使用されている。
Chlordiazepoxideについては,わが教室では,すでに児玉1)2),高橋3)が報告しており,その後の種々の治験においては,良い結果を得てはいると思われるけれども,その使用は,要するに精神安定上のなんらかの効果を期待できればというのと副作用の少ないということの気やすさから,臨床各科においていささか濫用の気味がありはせぬかと惧れられる。
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