文献詳細
特集 呉秀三先生の生誕100年を記念して
シンポジウム「呉秀三と病院精神医学」
一般討論
著者: 菅修1 小池清廉23 滝山米太郎4 五十嵐衡56 諏訪敬三郎7 成田茂8 植松正9 西丸四方10 川上武11
所属機関: 1国立秩父学園 2びわこ学園 3京大精神科 4全国精神障害者家族連合会 5神経研究所 6晴和病院 7元国立国府台病 8鳥山病院社会復帰病棟 9一橋大学 10信州大学精神科 11杉並組合病院
ページ範囲:P.544 - P.552
文献概要
救治会をとおして呉先生のお考えが,どのように具体化していつたかについて,少しつけ加えたいと思います。
救治会ができましたのは,先程お話がありましたように,明治35年で,呉先生が欧州からお帰りになつてからのことです。当時精神病者というものは,社会からも,家族からも見はなされたまつたくみじめなものでした。そこで,呉先生は,当時の大学教授夫人,たとえば,岡田和一郎夫人岡田徳子氏,三宅秀夫人三宅藤子氏,榊保三郎夫人榊実子氏,呉秀三夫人呉皆子氏,片山国嘉夫人片山亀子氏などを説いて,精神病者慈善救治会を組織されたわけであります。この名称は後に精神病者救治会となり,さらに救治会となりましたが,その理由については,後で申しあげます。
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