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研究と報告
精神療法の1例(吃音例)
著者: 越賀一雄1
所属機関: 1大阪医科大学神経科
ページ範囲:P.557 - P.561
文献購入ページに移動最近の精神身体医学の知見,また精神障害,とくに精神分裂病に対する精神療法による治療の知見がしきりに学会にて報告され,また各種医学雑誌に認められるようになつた。しかしながらそれらの根底にあるべき原理についての考察,反省,批判が十分になされているか否かについて著者は若干の疑いの念を禁ずることはできない。
精神身体医学の根底にはまず精神と身体の関係の問題,心身論が当然問題にされねばならず,また精神分裂病の精神療法にあたつては,はたしてそれが真の精神分裂病,換言すればRümkeのいうechte Schizophrenieであるか,あるいはそれ以外のPseudoschizophrenieであるか,またさらには非定型精神病とかLeonhardのいわゆるzykloide Psychoseであるのかが問われなければならないであろう。
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