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アルコール中毒に関する諸問題
著者: 堀内秀1
所属機関: 1国立久里浜病院アルコール中毒治療センター
ページ範囲:P.673 - P.682
文献購入ページに移動I.まえがき
アルコール中毒の問題は,精神科領域では,Jellinekの言葉を借りると,「部分的な議論,しかし明らかに重要な部分的な議論」である。内因性精神病のように,現在の考えかた,疾病概念や分類法を根底からくつがえすような,新しい考えかた,新しい疾病概念の生まれる可能性は何もない。アルコール中毒は,その病因も,病理も,治療法についても,ほとんど,およそのかたちを与えられていて,それにつけ加えられるのは部分的なものにすぎない。これは,ある意味で確かなことである。
しかし,アルコール中毒の問題が,学問的に,およそ解決のついた問題であつても,社会的な問題としてのアルコール中毒が,すでに解決済であるということは,いえない。それどころか,そのような実際的な,実践の面にこそ,大きな問題が横たわつているといえるのである。
アルコール中毒の問題は,精神科領域では,Jellinekの言葉を借りると,「部分的な議論,しかし明らかに重要な部分的な議論」である。内因性精神病のように,現在の考えかた,疾病概念や分類法を根底からくつがえすような,新しい考えかた,新しい疾病概念の生まれる可能性は何もない。アルコール中毒は,その病因も,病理も,治療法についても,ほとんど,およそのかたちを与えられていて,それにつけ加えられるのは部分的なものにすぎない。これは,ある意味で確かなことである。
しかし,アルコール中毒の問題が,学問的に,およそ解決のついた問題であつても,社会的な問題としてのアルコール中毒が,すでに解決済であるということは,いえない。それどころか,そのような実際的な,実践の面にこそ,大きな問題が横たわつているといえるのである。
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