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文献詳細

雑誌文献

精神医学7巻8号

1965年08月発行

文献概要

研究と報告

てんかん患者の結婚について

著者: 野村章恒1 柄沢昭秀1 松村幸司1 篠崎治郎1

所属機関: 1慈恵医大精神神経科教室

ページ範囲:P.705 - P.711

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 既婚てんかん患者66例と30歳を過ぎて未婚の状態にあるてんかん患者を対象とし,本人および家族との面接による調査を行ない,結婚問題に関連してつぎの結果をえた。
 (1)一応の生活能力がたもたれ,反社会的行為を伴わぬこと,すなわち一般社会生活適応能力があるということが結婚生活にも基本条件であるといえる。男性ではこの基本条件が満たされていれば,発作抑制などに不十分な点があつても結婚生活に大きな障害をもたらさないが,女性ではさらに疾患に対する周囲の無理解が時として障害の原因となるのが現状である。しかし,全体として見れば対象の8〜9割がとくに重大な困難もなく結婚生活を維持している。
 (2)結婚したてんかん患者の半数以上は結婚後もとくに症状の変化を見ない。男性では結婚後発作頻度が軽度に増加したものが約2割に認められ女性ではやや多いが,その大部分は妊娠分娩に伴う悪化である。性行為が直接悪影響をおよぼしたと認められる例はなかつた。一方発作の減少,性格面の改善を見た例も少数だが認められた。
 (3)妊娠の影響を受けるのはおもに結婚前発病群で発作の再燃悪化というかたちをとり,一方分娩は結婚後発病群の女性における発作初発の誘因として注目される。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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