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研究と報告
甲状腺剤含有の“やせ薬”の連用による精神障害
著者: 原田正純1 上妻由紀子1 三好公明1
所属機関: 1熊本大学医学部神経精神医学教室
ページ範囲:P.712 - P.716
文献購入ページに移動(2)“やせ薬”の服用中には,頭痛・めまい・耳鳴・不眠などの症状が見られる。服用を中止して後に,精神症状および軽度の粘液水腫様症状が現われた。基本的の精神症状としては,第1例・第2例は分裂病様状態を,第3例はうつ状態を示した。3例に共通した症状として,離人症その他の自我障害症状,不安・焦躁状,一方的でききわけがなく・あまえ・依存的で子どもつぽく未熟な精神状態などが認められた。
(3)症状は慢性の経過をとり,薬物中止後1年から1年7ヵ月も継続している。
(4)向精神薬物では十分な治療効果は期待できない。甲状腺剤で症状は消褪するが,投与量・方法・投与期間などについては慎重な考慮をはらわなければ症状を悪化させる可能性がある。第1例では電撃療法が著効をおさめた。
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