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文献詳細

雑誌文献

精神医学7巻8号

1965年08月発行

研究と報告

精神分裂病に対するPropitan(Dipiperon)の臨床効果

著者: 桜井図南男1 西園昌久1 中沢洋一1 疋田平三郎2

所属機関: 1九州大学医学部神経精神医学教室 2疋田病院

ページ範囲:P.717 - P.724

文献概要

I.はじめに
 1952年Denikerらによつて,chlorpromazineが精神病の治療薬として効果があることが明らかにされて以来,こんにちまでおびただしい向精神薬が登場してきた。しかし,それらの多くは,chlorpromazineが属するphenothiazine系化合物で,その側鎖をいろいろに変えたものであるか,あるいはphenothiazine核の変型をねらつたものである。ことに精神分裂病に対する精神治療薬のほとんどすべてはphenothiazine系化合物であつた。したがつて,誘導体の違いによつて,おのずからその作用に量的,質的な差異があるにしても,これらは治療薬としてのphenothiazine系化合物のもつている大きな特徴と限界の枠のなかでの違いなのである。
 したがつて,phenothiazine系化合物やphenothiazine類似のものとまつたく異なる化合物で向精神作用が強く,上記の限界をこえる効果をあげるものが現われることが期待されていた。ベルギーのJanssen社はphenothiazineとはまつたく異なるbutyrophenone系化合物を合成し,そのうち,10数種のものは,いちじるしい向精神薬的な臨床効果があると発表している。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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