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文献詳細

雑誌文献

精神医学7巻9号

1965年09月発行

文献概要

研究と報告

心因性チックの自律訓練併用精神療法

著者: 阿部正1 石橋泰子1

所属機関: 1慶応義塾大学医学部神経科心身症センター

ページ範囲:P.779 - P.783

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I.緒論
 心因性チックの精神力動については,Ferenczi1)はリビドーの筋エロティスムスへのおきかえ,Abraham2)は敵意と性的要素が関与するとし,Magaret, Gerard3)は驚愕体験からの本能欲求の抑制と部分満足とし,Mahler4)は素質的運動因子の過度制約と刺激によるとし,Levyは衝動の部分的現われまたは危険防衛の身ぶり,Fenichel5)は前性器期的転換で感情の代理物であるとした。浜中6)は快楽獲得の方途として条件づけられ抑圧された活動の唯一の放出状態であるとした。阿部7)らは14例の心因性チックと12例の心因性顔面けいれんの精神力動を調べ攻撃および運動衝動の刺激および抑圧であるとした。なお奥田ら8),多米9),牧田ら10)の研究報告がある。
 本症の治療としては精神療法がもつとも中心であるにかかわらず,精神療法の詳細な報告はわが国ではこんにちまでほとんどなかつた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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