文献詳細
研究と報告
新しい精神病治療薬PZ 1511(Defecton)の臨床試験
著者: 藤田貞雄1 由良了三1 西願寺弘通1 後藤基裕1 出口武夫1
所属機関: 1四日市日永病院
ページ範囲:P.821 - P.824
文献概要
PZ1511(carbadipimidine)は吉富製薬で新しく開発された薬物でつぎのごとき構造をもつ。すなわちimipramineの核にdipiperoneの側鎖のついたもので,薬理実験でimipramine様の作用のあることが示されている。
しかしbutyrophenone系の薬物様の効果も期待されたので,適応症状を一応,抑うつ気分,欲動減少と予想し,ここ6ヵ月にわたつて種々の精神病に試用してみた。
試用実験は健康人から始め,つぎに少数の,あらゆる治療に抵抗した重症分裂病について行ない,作用のだいたいのオリエンテーションをつけて少しずつ対象の範囲を拡大し,現在試用例数がすでに100名をこえた。
ここに現在までの成績をまとめて報告する。
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