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文献詳細

雑誌文献

精神医学8巻1号

1966年01月発行

文献概要

研究と報告

Diazepam注射薬の精神症状におよぼす影響とその応用

著者: 金子仁郎1 藤井久和1 武貞昌志1

所属機関: 1大阪大学医学部精神神経科学教室

ページ範囲:P.57 - P.60

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I.はじめに
 Chlordiazepoxideと近似し,しかも数倍強力な作用をもつdiazepamが開発され1),その臨床的有用性は欧米ならびに本邦での多数の臨床実験で確かめられた2)5)6)。われわれも,すでにdiazepamが患者の不安,緊張,焦躁感に選択的に作用し,精神症状を軽快させること,医師・患者間の疎通性を増大させ,精神療法を容易にすることなどの点で,精神神経症,精神身体症などに対する画期的な治療薬としての価値をもつものであることを報告してきた3)
 すなわち,diazepamはchlordiazepoxideに比し,効果の発現は速効的であり,その作用も強力であり,適応スペクトルもより広いことから,chlordiazepoxide無効例にも,すぐれた効果を示すものがあり,とくに従来の薬物に反応しがたかつた恐怖症,強迫神経症にも有効な症例を認めた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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