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文献詳細

雑誌文献

精神医学8巻1号

1966年01月発行

文献概要

資料

精神衛生相談所における相談者の統計的観察—主として所内精神衛生相談を中心にして

著者: 石原幸夫1

所属機関: 1神奈川県立精神衛生センター

ページ範囲:P.69 - P.74

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 昭和35年4月より5ヵ年間にわたる精神衛生相談所外来相談者について,統計的な調査をこころみ,つぎのような結果をえた。
 (1)外来相談者は,年間平均のべ約3,300人であり,そのうち新相談者は平均1,500人であつた。前半2ヵ年では新相談者が再来者より多く,後半3ヵ年では,再来者が新相談者より多かつた。
 (2)性別では,女性の利用者が男性よりも多く,年齢では30歳代がもつとも多かつた。
 (3)相談内容は,診療保護の問題で来所するものが各年度を通じて第1位であつた。
 (4)相談者(臨床ケース)の診断分類では,神経症がもつとも多く44.9%であり,第2位は精神病(分裂症・躁うつ病・その他の精神病)で15.8%,第3位は精神薄弱で11.2%であつた。
 (5)相談の動機は,マスコミによるものがもつとも多く,来所回数は,45%が1回で終り,6回以上継続して来所しているものは,5.8%であつた。
 なお精神衛生相談助言活動の中心はpsychiatri coutpatient clinic serviceであつたが,精神障害者の社会的治療資源の一つとして,この種施設の重要性を指摘した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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