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研究と報告
約3年の経過で社会復帰可能となつたCO中毒の1症例
著者: 熊野明夫1 佐々木雄司1 平井富雄1 上出弘之1
所属機関: 1東京大学医学部付属病院分院神経科
ページ範囲:P.839 - P.843
文献購入ページに移動近年大規模な炭鉱爆発事故が相ついで発生し,多くの犠牲者を出したが,このさい重要な課題のひとつは,CO中毒の後遺症の問題である。重篤なCO中毒後遺症は,しばしば知的機能の障害や,人格水準の低下をもたらし,社会復帰に対する予後は悲観的に考えられがちである。われわれが経験した症例は,都市ガス吸引によるCO中毒例であるが,重症の遷延例であり,気脳術・脳波などにより脳器質障害の存在が実証され,一時は予後不良と予想されたが,幸い回復し,社会生活に復帰しえた点が特異であり,示唆するところが多いと考えられるので,ここに報告する。
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