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研究と報告
ヒステリー患者の脳波異常
著者: 稲垣卓1 井上照雄1 内田又功1
所属機関: 1鳥取大学医学部神経精神医学教室
ページ範囲:P.844 - P.850
文献購入ページに移動I.はじめに
Brazierら1)は神経症患者の周波数分布曲線が二峰性になり,うち速波優勢は不安神経症に多く見出され緩徐波優勢はいずれの型の神経症にもみられるとし,岡嶋2)はヒステリー・制縛状態群ではα波が緩徐化する傾向がみられると述べ,大熊3)はヒステリーには,後頭部徐波が出現する場合がかなり多く,pentazol,光-pentazol賦活に対する閾値の低いことに注目した。また,中沢ら4)は徐波を示したヒステリー2例を報告し,小川ら5)は徐波傾向を示した小児ヒステリーの1例を報告した。
われわれの臨床においても,脳波異常を認めながら,どうしてもヒステリーと診断せざるをえない症例にときおり遭遇するので,過去において鳥取大学神経精神科でヒステリーと診断された患者の脳波所見の調査をこころみた。
Brazierら1)は神経症患者の周波数分布曲線が二峰性になり,うち速波優勢は不安神経症に多く見出され緩徐波優勢はいずれの型の神経症にもみられるとし,岡嶋2)はヒステリー・制縛状態群ではα波が緩徐化する傾向がみられると述べ,大熊3)はヒステリーには,後頭部徐波が出現する場合がかなり多く,pentazol,光-pentazol賦活に対する閾値の低いことに注目した。また,中沢ら4)は徐波を示したヒステリー2例を報告し,小川ら5)は徐波傾向を示した小児ヒステリーの1例を報告した。
われわれの臨床においても,脳波異常を認めながら,どうしてもヒステリーと診断せざるをえない症例にときおり遭遇するので,過去において鳥取大学神経精神科でヒステリーと診断された患者の脳波所見の調査をこころみた。
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