文献詳細
特集 宗教と精神医学
第63回日本精神神経学会総会シンポジウ厶
文献概要
I.はしがき
宗教について哲学辞典を見ると,「一般に人が超人間的な威力を認めてこれに対する畏怖および信頼の情を感じ,また犠牲を捧げ祈願礼拝し……一面には主観的な心的生活として,他面には客観的な社会的現象として現われる……」とある。
これによつても,宗教そのものの定義が漢然としているといわざるをえないが,標題の宗教的背景というのは私の知るかぎりのキリスト教と根本仏教とにかぎることにする。そしてキリスト教は,主として新・旧約聖書,根本仏教は,主として北伝の漢訳の四つの阿含経と南伝の大蔵経について紹介されたものによることにした。
宗教について哲学辞典を見ると,「一般に人が超人間的な威力を認めてこれに対する畏怖および信頼の情を感じ,また犠牲を捧げ祈願礼拝し……一面には主観的な心的生活として,他面には客観的な社会的現象として現われる……」とある。
これによつても,宗教そのものの定義が漢然としているといわざるをえないが,標題の宗教的背景というのは私の知るかぎりのキリスト教と根本仏教とにかぎることにする。そしてキリスト教は,主として新・旧約聖書,根本仏教は,主として北伝の漢訳の四つの阿含経と南伝の大蔵経について紹介されたものによることにした。
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