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特集 宗教と精神医学 第63回日本精神神経学会総会シンポジウ厶
宗教事象の社会精神医学的研究—教団成立を支えるもの
著者: 藤沢敏雄1 佐々木雄司1 小野泰博1 菅又淳1 秋元波留夫1
所属機関: 1東京大学医学部精神医学教室
ページ範囲:P.928 - P.932
文献購入ページに移動前回の総会で,宗教集団の「病気なおし」が神経症群に対していちじるしい効果をあげていることと,身体疾患をもつ者についても,その生活態度を積極化させることなどを報告した。
敗戦後のanomieの状態で,無数の宗教集団が爆発的に誕生したことは,まだ記憶に新しいことである。現在は,一見当時と情況を異にしているとはいえ,いまだに原始的でshamanisticな集団や,shamanisticな色彩を強く残しながら教理の確立をはかり,既成教団化しつつある集団に,よりどころを求める民衆はあとをたたない。この種の問題については,すでに社会学や宗教学の立場での研究に多くの成果をみているが,今回の報告は,こうした宗教集団のもたらす「救い」や「生きがい」の意味をその心理機制について検討しようというものである。
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