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文献詳細

雑誌文献

精神医学8巻11号

1966年11月発行

特集 宗教と精神医学

第63回日本精神神経学会総会シンポジウ厶

指定討論

著者: 藤田千尋1

所属機関: 1慈恵医大神経科

ページ範囲:P.936 - P.938

文献概要

 森田療法と禅とに関して,従来からかなり多くの論説がなされておりますが,そのほとんどが両者の類似性をあげているだけで,その特質的差違については述べられていないように思えます。そこでこれらの論説を私なりに区分してみると,ほぼつぎのように3つに分けられます。すなわち,その第1は,森田療法そのものを規定する考えかたであります。
 禅思想の特質と森田療法とのそれの類似性から,森田療法は禅的方式の内容をもつものであると結論すること。少なくとも,日本で神経症といわれるものは,"とらわれ"そのものが人間の苦悩の原因であると考える仏教の考えかたに影響されており,これの治療には,禅思想にみいだされる体験主義や現実への態度を原理として生かしている森田療法が最高である,として禅思想の体系のなかに森田療法を完全に包含させたもので,森田療法は,禅療法であるというものであります。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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