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特集 うつ病の臨床 第63回日本精神神経学会総会シンポジウム
うつ病の診断基準
著者: 佐野勇1
所属機関: 1大阪大学医学部神経科
ページ範囲:P.971 - P.973
文献購入ページに移動 戦後20年余,わが国の精神医学はおびただしい変貌を遂げ,なかんずくアメリカ精神医学の,若い世代の研究者たちにおよぼした影響は非常に大きいといわねばなりません。しかしいわゆる内因性精神病に関するかぎり,わが国の精神病学は,古典ドイツ精神病学の動かすべからざる礎の上に,現在もなお深く根をおろしているといえましよう。
ここにご列席の多数の大学教授の方々は,たとえアメリカ的思考,フランス的思考,またはソビエト的思考を受けいれられる方であつても,内因性精神病に関するかぎり,おそらくKraepelin以来のドイツ精神医学にもつとも大きく影響されておられ,学生に対する講義にさいしても,精神分裂病と躁うつ病を内因性精神病の両極におき,前者は不可逆的なプロツェスであり,“an sichunheilbar”であるか,たとえ“Schub”が去つても,なんらかの欠損を伴う疾患であり,後者は可逆的な“Phase”であり,“an sich heilbar”であり,欠損転帰を伴わないものであるとの“Schulpsychiatrie”を一応は教授されているに違いないと思います。
ここにご列席の多数の大学教授の方々は,たとえアメリカ的思考,フランス的思考,またはソビエト的思考を受けいれられる方であつても,内因性精神病に関するかぎり,おそらくKraepelin以来のドイツ精神医学にもつとも大きく影響されておられ,学生に対する講義にさいしても,精神分裂病と躁うつ病を内因性精神病の両極におき,前者は不可逆的なプロツェスであり,“an sichunheilbar”であるか,たとえ“Schub”が去つても,なんらかの欠損を伴う疾患であり,後者は可逆的な“Phase”であり,“an sich heilbar”であり,欠損転帰を伴わないものであるとの“Schulpsychiatrie”を一応は教授されているに違いないと思います。
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