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文献詳細

雑誌文献

精神医学8巻12号

1966年12月発行

文献概要

研究と報告

集団心理療法場面における薬物依存者(その1)—対人関係を中心として

著者: 大原健士郎1

所属機関: 1慈恵会医科大学精神神経科教室

ページ範囲:P.1009 - P.1013

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I.はしがき
 薬剤を頻回に使用し,その結果生ずる異常状態は,従来,習慣(habituation)と嗜癖(addiction)とに分けて論ぜられていた。両者を比較すると,後者において,その薬剤を連続して使用したいという欲求が著明であり,使用量は回をかさねるにつれて増量する傾向を示し,精神的・身体的依存傾向を認め,個人的・社会的に悪影響を示す,などという点で区別されてきた。しかし,この種の区別は折にふれて困難で,適切な名称のないまま放置されていたが,近年,この種の患者はおしなべて「薬物依存」という名称のもとに一括されるようになつてきたことは周知のとおりである。現在では,W. H. O. の専門委員会において,精神的依存,身体的依存,耐性形成の3要件から,モルヒネ型依存,バルビツール酸剤およびアルコール型依存,コカイン型依存,印度大麻草型依存,アンフェタミン型依存,Khat型依存,幻覚剤型依存の型が定められているが,これによつても問題がすべて解決されたというわけのものではない。つぎの論文(その2)において,著者は集団心理療法場面をとおしてみた薬物依存者の占める座席の配列に注目し,かれらの分類をこころみるつもりであるが,この報告では,かれらの対人関係に重点をおき,その特徴をながめたいと思う。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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