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研究と報告
精神病院における病棟管理形態の治療的意義について—閉鎖および開放管理の入院患者に与える影響
著者: 柴原堯1 井口芳雄1
所属機関: 1京都府立洛南病院
ページ範囲:P.135 - P.139
文献購入ページに移動(1)閉鎖—開放管理により象徴される病棟内雰囲気の差異は主として対人接触の面において現われ,閉鎖病棟において長期間入院生活をつづけていた患者は,その単調な風土,稀薄な対人接触.に慣れ,開放病棟に移動すると急速に心的水準の相対的低下を示し,集団に適応しえず,容易に再燃状態を示す。
(2)このような患者の病像の変化は,閉鎖—開放病棟における対人接触の濃度の落差が大きいほど著明に出現する。
(3)したがつて再燃,病像の悪化を防ぎ,患者の社会復帰,退院を促進するためには患者の開放病棟への移動にさいして患者の社会的水準について十分な考慮がなされるとともに,それぞれの病棟間の対人接触の濃度の差異をできるだけ少なくするように考慮がはらわれねばならない。
(4)精神病院における病棟管理にあたつては,病棟に心理学的な多様性をもたすため,少なくとも3〜4個の病棟を開設する必要があり,また最終段階の開放病棟においてはその心理学的風土をできるだけ一般社会に近づける必要があると考えられる。
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