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文献詳細

雑誌文献

精神医学8巻3号

1966年03月発行

文献概要

研究と報告

分裂病の診断

著者: 立津政順1

所属機関: 1熊本大学医学部精神神経科

ページ範囲:P.211 - P.218

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I.まえおき
 どういうものか分裂病の症状が年代とともにしだいに変わつてきたことは,注目すべき現象である。高度の衒奇症・激しい緊張病興奮・躁病様興奮・教科書的の昏迷状などが,第二次世界大戦後だんだん見られなくなつてしまつた。いいかえれば,症状が一般にかるくなりめだたなくなつてきている。そのうえ,向精神薬が使用されるようになつてからは,患者の精神像におけるあや(文)や高低や中軸部が不明瞭となつたばかりでなく,筋硬直や異常脳波などの身体症状が多くの患者に見られるようになつた。したがつて,分裂病の診断は,だんだんむずかしくなり慎重を要するようになつてきたといえる。
 分裂病の診断は,多くの面からの検索結果を総合して,決められるべきであろう。しかし,以下の文中でとくに,患者が現在示す状態のなかで診断上いかなる症状がもっとも重要であるかということの論旨と,またこの問題の解決の方法とに対し,ご批判いただければ幸いである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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