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文献詳細

雑誌文献

精神医学8巻3号

1966年03月発行

研究と報告

精神分裂病患者における側頭葉電気刺激と記憶

著者: 堀浩1 佐藤愛1 宮井理広1 菅原幸也1 岩田宏夫1 果山保男1

所属機関: 1東北大学医学部精神医学教室

ページ範囲:P.219 - P.224

文献概要

I.緒論
 人脳側頭葉の皮質あるいは深部の電気刺激にさいして種々な精神現象が出現することは,すでにPenfield1),Jasper2)あるいはDelgado3)らによつて述べられている。このさいに幻覚様知覚現象が認められることがある。これらはてんかん患者について観察されたものであつて,電気刺激によつて局所の発作発射を伴うのであるから,この幻覚様知覚現象はてんかんの自然発作すなわち,この場合は側頭葉てんかん発作の人工的再現であると考えることができる。
 ところで同様な現象が精神分裂病患者の側頭葉においても惹起されるかどうかという疑問が生ずるが,またたとえこのような現象が認められたにしても,てんかん脳の場合と同じ解釈が成り立つであろうか。すなわち電気刺激による側頭葉てんかん自然発作の再現と同様の意味で,分裂病の固有の幻覚の再現であるかどうかという問題がある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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