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文献詳細

雑誌文献

精神医学8巻4号

1966年04月発行

文献概要

特集 精神分裂病の家族研究 シンポジウム「精神分裂病の家族研究」に対する指定討論および一般質疑

演者回答

著者:

所属機関:

ページ範囲:P.297 - P.303

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 高臣 まず第1の患者と家族を誰が担当治療するかという問題ですが,私たち精神衛生研究所には,医者,心理学者,PSWがおります。心理学者,PSWはそれぞれがベテランです。たとえば心理学者もいわゆるRogerianの草分けの方々がいるし,テストもRorschach,TATその他が中心になつている人たちです。そのためその誰が受持ち,誰がいけないということは現在ありません。医者が治療の責任をもち,投薬するのは当然ですが,Rogerianが患者を診ている場合には医者が家族を,医者が患者を診ている場合にはPSWが家族をというようなかたちです。そのなかでどれがいいか,私には現在わかりません。あるいはこのような答えでは非常にご不満かと思いますが,現状はこのとおりです。第2の家族療法を行なうにあたり,どういう家族を選ぶか,だいたいの構想をもつていなければ治療が進行しないのではないか,そして危険なのではないかということ,これはたしかにご指摘のとおりだと思います。しかし,現在私たちは家族の特徴によつてとくに選択しておりません,私たちは主として国立国府台病院を退院しました患者,ことに地域の患者さんを治療し,家庭訪問し,そして調査をしております。
 この人たちのほかに,退院をひかえて病院の先生から私たちのほうに紹介してきた入たち,あるいはわれわれのところに個人的に紹介されてきた人たちが対象です。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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