文献詳細
研究と報告
文献概要
I.まえがき
分裂病研究の歴史において,著者は分裂病患者の自己像に関する系統的研究に接したことがほとんどない。近時分裂病の心理療法に対する関心がたかまり,分裂病患者の現象を一つの生活史的事象のなかでとらえようとする立場が強調されるようになるにしたがつて,患者の自己概念(Self Concept)の問題が,対入関係理論の問題とともに必然的に重視されてきた。
元来,われわれ精神科医はFromm-Reichmanの言葉を借りれば,「精神医は精神障害者のコミュニケーションの内容をよく聴き,その意味を了解すべく努力しなければならない」のである。
分裂病研究の歴史において,著者は分裂病患者の自己像に関する系統的研究に接したことがほとんどない。近時分裂病の心理療法に対する関心がたかまり,分裂病患者の現象を一つの生活史的事象のなかでとらえようとする立場が強調されるようになるにしたがつて,患者の自己概念(Self Concept)の問題が,対入関係理論の問題とともに必然的に重視されてきた。
元来,われわれ精神科医はFromm-Reichmanの言葉を借りれば,「精神医は精神障害者のコミュニケーションの内容をよく聴き,その意味を了解すべく努力しなければならない」のである。
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