文献詳細
研究と報告
精神分裂病に対するFluphenazine Enanthateの臨床治験
著者: 佐野新1 長谷川和夫1 後藤寿朖1 岩淵純男1 佐藤春夫1 大田博1
所属機関: 1慈恵医科大学精神神経科教室
ページ範囲:P.415 - P.419
文献概要
精神病患者に薬物療法を行なうにあたつては,拒薬を示すものがあって,治療上の困難さを経験することがしばしばである。今回われわれはK. K. スクイブ・ラボラトリーズの協力により,Fluphenazine Enanthateを試用する機会を得たが,本剤はいわば向精神薬のDepot剤ともいうべきもので,上記の拒薬という観点からも注目すべき特色を具備している。
すなわち本剤の化学構造式は第1図に示すように,通常のFluphenazine塩酸塩と異なり,Fluphenazineのエナンシル酸ニステルであり綿実油に溶解してある。
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