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特集 薬物と精神療法 第2回日本精神病理・精神療法学会シンポジウム
薬物と精神療法
著者: 新福尚武1
所属機関: 1慈恵会医科大学精神神経科
ページ範囲:P.443 - P.446
文献購入ページに移動I.はじめに
精神療法と薬物療法とは,作用点,作用機序,適応領域を異にするというのが,これまでの一般的考えであつたが,最近のありかたはこの考えをかなり混乱させている。たとえば,分裂病はこれまで,もつぱら理学療法,薬物療法のもちいられる領域であつたのに,こんにちでは精神療法もさかんにもちいられるようになつた。その反面,精神療法の適応症であるべき神経症に,薬物療法がさかんに行なわれ,神経症といえば薬物というようなムードさえ一部には見られる。
もちろん,治療法の変化は病因についての考えかたの変化に伴う。分裂病の精神療法は,分裂病心因説に関係していることはいうまでもない。しかし,それでは神経症の薬物療法が,神経症身体因説(Somatogenese-Theorie)にもとづいているのかというと,そうでもないようである。
精神療法と薬物療法とは,作用点,作用機序,適応領域を異にするというのが,これまでの一般的考えであつたが,最近のありかたはこの考えをかなり混乱させている。たとえば,分裂病はこれまで,もつぱら理学療法,薬物療法のもちいられる領域であつたのに,こんにちでは精神療法もさかんにもちいられるようになつた。その反面,精神療法の適応症であるべき神経症に,薬物療法がさかんに行なわれ,神経症といえば薬物というようなムードさえ一部には見られる。
もちろん,治療法の変化は病因についての考えかたの変化に伴う。分裂病の精神療法は,分裂病心因説に関係していることはいうまでもない。しかし,それでは神経症の薬物療法が,神経症身体因説(Somatogenese-Theorie)にもとづいているのかというと,そうでもないようである。
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