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文献詳細

雑誌文献

精神医学8巻6号

1966年06月発行

文献概要

特集 薬物と精神療法 第2回日本精神病理・精神療法学会シンポジウム

演者回答

著者:

所属機関:

ページ範囲:P.455 - P.457

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 新福 さきほどのこ討論は全部もつともです。私自身もNeuroseに薬をかなり使つております。薬を使いながら考えてみて,なかには薬が非常によく効いたと思うのもある。しかし,そういうのは結局さきほど申したような,なぜ効いたかということがごく容易に理解できる場合であります。それらでは,薬の作用はそう深い意味をもたない,Neuroseとしてもごく単純な現象というふうに考えられる。
 ところがその他のケースについては,私は薬をどういうふうに使つたとか,使うべきだとか自信をもつてはいえないのであります。いろいろ発表などを見ますと,Neuroseに使つておられるわけですが.私はむしろ懐疑的なのです。そういうものを見ながらなぜこういうふうになるのだろうか,ということの反省がさきほど述べたようなことに関係があるわけでありまして,けつして私が上手に薬物と精神療法とを併用して成功したとか,こう併用すべきだということをいつたのではない。ですから,そこから私は精神身体にまたがるpsychophysiodynamicsなど考えるのですが,それはなぜか。それはノイローゼ以外の精神病について,そういうことをなんとなく考えるからです。かりにノイローゼに薬物が本当に効くものであれば,私は自分では本当にそうだという経験はないですが,あれば,問題はそういうところから考えなおすべきではないか。こういうようなわけです。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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