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文献詳細

雑誌文献

精神医学8巻7号

1966年07月発行

文献概要

特集 精神医療体系のなかでの精神病院の位置づけ 精神病院の機能とその限界 第63回日本精神神経学会総会シンポジウム

一般病院(とくに国立病院)併設精神科の現状とその役割

著者: 中川四郎1

所属機関: 1国立国府台病院

ページ範囲:P.563 - P.567

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I.はじめに
 精神障害者医療の基本的理念が地域保護の方向に向かうとともに,精神病院のありかたにも多大の改革が要求されている。精神障害者を隔離的に扱うことをやめ,精神医療を地域と密接させて一般医療の線に沿つて行なうためには,一般病院における精神科を拡充することが必要である。これは一般住民の精神障害者に対する偏見を是正し,行政上からも,実際的な医療のうえからも,差別的処遇を取除くために,また早期治療を推進するためにも,はなはだ重要な事柄である。イギリス保健省は,1962年に議会に提出した病院計画のなかでとくにこのことを強調している。最近各国でこの点が注目され,1965年5月ストックホルムで開催された第14回国際病院会議のシンポジアムにもこの題目がとりあげられている。
 われわれ全国の国立総合病院併設精神科の医師は,すでに以前からこの間題の重要性を認識し,1963年より共同研究班を組織して研究を行なつてきたが,これまでに行なつた調査の一部を述べる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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