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文献詳細

雑誌文献

精神医学9巻1号

1967年01月発行

文献概要

特集 内因性精神病の疾病論 第63回日本精神神経学会総会シンポジウム

精神分裂病の原因と治療

著者: 島崎敏樹1

所属機関: 1東京医科歯科大学精神医学教室

ページ範囲:P.31 - P.33

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 精神分裂病の原因は何か,この問いを現在出すことが,ときを得たこととは思えにくい。しかし「原因論」を検討することは許されると思う。
 分裂病の原因論には「宿命論」と「運命論」とある。宿命論ではどうみるかというと,分裂病というものは,なんらか自然科学的な原因で病がオーガニズムに発生するものであり,起こつた変化も自然科学的にとらえることができると考える。井上英二教授の発表のなかにあつたように,分裂病を一つの群として扱う場合,その発病には遺伝子型が関与しているという事実——これは分裂病の変化が「宿命的」に発生するものだということの一つのあかしになる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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