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研究と報告
Double-blind,Controlled Trialによるspiroperidolの精神分裂病に対する薬効検定—逐次検定法および判別分析の応用について
著者: 伊藤斉1 岡本正夫1 三浦貞則1 壁島彬郎1 鈴木恵晴1 茂田優1 望月延泰1 八木剛平1 浅香富允1
所属機関: 1慶応義塾大学医学部神経科教室
ページ範囲:P.777 - P.787
文献購入ページに移動新しい向精神薬がつぎつぎと数多く開発されているが,われわれ精神科医はこれらの薬剤のそれぞれについて,臨床効果の特性をできるかぎり詳細かつ正確に把握して日常の診療のうえで駆使したいとねがつている。このためには従来よりわれわれがながく行なつてきたような,素朴経験的に薬剤を患者に試用して,著効,有効,やや有効,無効,増悪というように全般的改善度の段階的評価を行なつたり,またどのような症状または症状群に奏効するようだというような印象的な薬効判定に加えて,より客観的,科学的な評価方法としてcontrolled studyの必要性が認識されつつある。ここ数年来,phenothiazine系薬剤,reserpineについでmajor tranquilizerとしてわが国でも用いられ始めたbutyrophenone系薬剤についても,はたしてわれわれが従来より使用してきたphenothiazine系薬剤などと同様,臨床効果の点でpotencyのたかいものであるということを客観的にも証明し,あるいは批判しうる資料が必要であろう。ここにあげるspiroperidolも最近登場したbutyrophenone系薬剤の一つであり,精神分裂病を中心とした精神疾患の治療薬としての有効性がBobon1),Paquayら2),により報告され,わが国でも桜井3)らの追試が行なわれている。
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