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文献詳細

雑誌文献

精神医学9巻12号

1967年12月発行

文献概要

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精神科面接の実際(遺稿)

著者: 黒沢良介1

所属機関: 1前 三重大学

ページ範囲:P.898 - P.900

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 精神科の問診というのは英語ではpsychiatric interviewであり,ドイツ語ではExplorationが相当する。英語を直訳すれば,問診というより面接という方が適当であり,実際にアメリカで患者を診察する様子をみると,interviewというのがもつともであるとの印象をうける。interviewの目的はその場で相手にparticipateすることによつて,患者の精神状態を知ろうとしている。そのために精神科医はその場の雰囲気を和げることに努力して,白衣を着ないで普通の服装をして,診察の椅子も患者と同じようにして,医者が患者と同じような立場に立つことによつて,少しでも医者としての権威を少くしている。
 それに反してドイツ語のExplorationは訊問(Aus-forschung)とも訳せられるもので,最初から医者は患者より高い立場にあつて,医者としての権威を利用することにより患者から必要な事柄を聞き出そうとする。白衣は勿論着ているし,医者は立派な椅子にかけて堂々とした態度をとつている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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