icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学9巻12号

1967年12月発行

文献概要

研究と報告

二重盲検,逐次検定法によるPyrithioxinの効果について

著者: 春原千秋1 藤沢浩四郎2

所属機関: 1中央鉄道病院神経科 2東京大学医学部脳研究所

ページ範囲:P.943 - P.949

文献購入ページに移動
Ⅰ.緒言
 この十数年来いわゆる向精神薬の発達はまことにめざましいものがあり,各種の精神安定剤がつぎつぎと開発され,主として内因精神病の治療や看護のうえに,大きな進歩と革命がみられていることは周知のとおりである。しかしそれにもかかわらず,老人性疾患や,脳器質性障害のさいにみられる精神神経障害に対しては,いちじるしく有効といえる薬物はまだ得られていない現状である。すなわちこれらの疾患に対しては,単に精神安定剤としての作用のみでなく,脳循環改善を含めて,脳実質に賦活的,刺激的に作用する薬物が要求されるわけである。
 ところでこの数年来,ビタミンB6の誘導休についての一連の研究過程から,Pyrithioxinが登場した。これはドイツのMerck社において合成されたもので,第1図のような構造式を有している。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?